ニューヨークで働く現役トレーダーが考える相場観

ニューヨーク金融市場

なぜ株価は上昇を続けるのか?1968年を振り返る。

投稿日:

この記事は2020年6月2日にnoteに投稿されたものです。

興味深かったので、CNBCの記事を意訳しています。(私の意見ではありませんが、参考になればと思い投稿させていただきました。)

なぜ株価は上昇を続けるのか?1968年を振り返る。
世界的なパンデミック、人種間の戦い、政治的な混乱。
そして、カオスの中で急上昇する株価。

これはまさに現在の相場を話しているようだが、実は1968年のデジャブでもある。

現在の相場は、落ち込む小売、雇用市場、企業収益よりも、コロナウイルスのワクチン開発や治療法開発に期待して上昇している。
ミネアポリスで起きたジョージフロイド氏の死に伴う、国内のデモや暴動ですら、株価に影響を及ぼさなかった。

明らかに、株やクレジットといったリスク資産に弱気になる理由が山ほどある。それにも関わらず、リスク資産は上がり続けている。

これは市場の誤りなのだろうか?
少なくとも1968年を知る人間にはそうは思えない。

1968年の社会情勢を振り返りたい。
1968年は、キング牧師が暗殺され、ベトナム戦争のテト攻略戦が始まり、Hubert Humphrey とRichard Nixonによる大統領選が白熱した年だ。また、メキシコオリンピックでJohn CarlosとTommie Smithが拳を掲げ、人種差別に抗議したことも印象的であった。

そして、この年は香港風邪(H3N2)がパンデミックを起こし、10万人の米国人の命を奪ったことも忘れてはいけない。

では、1968年のマーケットはどう動いたか。
この年は1月から3月にかけてS&Pは9%下落した。しかし、その後、市場は底値から24%もラリーし、結局その年は+7.6%で引けたのだ。

1968年を「打ち砕かれたアメリカ」と表現する人もいるが、株式市場は対称的に上昇した。

当然のことながら、当時とは現在は全く同じ環境では無い。
米国内のデモが長引き、経済が傷つけば株価は自然と調整するであろう。
しかし、歴史は繰り返されるという言葉も忘れてはいけない。

現在の発達したアルゴリズムトレードが、1968年をフラッシュバックとして再現しようとしている可能性もあるのだから。

Google Ad1

Google Ad1

-ニューヨーク金融市場
-,

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

7月の相場のカタリストとコンセンサス

この記事は2020年6月30日にnoteで掲載されたものです。 S&P500指数はこの四半期で24%も上昇し、コロナショックで失った大半の時価を僅か3ヶ月で取り戻した。まだまだ様々なリスクが存 …

早わかり!7月FOMCのポイントは?

7月29日14:00(東京7月30日深夜3:00)にFOMCが行われます。今回の注目ポイントをおさらいしたいと思います。 次の政策オプションとして考えられているのは3つ 前回(6月)の会合は5月の雇用 …

なぜ”原油の大暴落”に市場は反応しなかったのか

この記事は2020年4月20日にnoteで投稿されたものです。 WTI先物は史上初となるマイナス価格まで大暴落。しかし、より正確に言うのであれば、「5月限の原油先物が大暴落」して、「限月間スプレッドが …

トルコリラのスワップポイントはなぜ下落しているのか。外貨準備が底を尽きつつある?

この記事は2020年4月28日にnoteに投稿されたものです。 外貨準備が尽きつつある?3月のグローバルなリスクオフの中、トルコでは中央銀行が通貨安防衛のため外貨売り介入を行ってきた。 元々、トルコの …

「金価格」の上昇と「実質金利」の低下について

金価格が遂に1オンス1900ドルを突破し、2011年来の高値まで上昇しました。 4月2日に『全ての国が”金融緩和と財政出動”を行なった次の世界にあるもの』という記事を書きましたが、世界中で行われている …