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ニューヨーク金融市場

「そうだ!仕事をやめよう!」モラルハザードが起きる米国労働市場

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この記事は2020年4月7日にnoteに投稿されたものです。

私の話ではありません。
今日は米国の労働市場で、今後数カ月以内に起こるであろうモラルハザードについて書きたいと思う。

今、米国の雇用情勢を見る上で最も適しているのは、毎週発表される新規失業保険申請件数だが、足元急激に悪化している。

チャートのスケールがあまりに違い過ぎて、間違いではないかと思ってしまうが、間違いではない。
コロナウイルスのショックでロックダウンが始まるまでは282千件/週程度が通常であったが、その後、失業保険の申請件数は急上昇している。

リーマンショックの時でもこれほどの増加は見られなかったので、まさに異常事態なのである。

しかし、先日、通過した財政法案をしっかり確認すると、来週あたりから振り込まれる失業手当の金額を見て、多くの失業者はびっくりするのではなかろうか。

まず、先日通過した財政法案の中には、$1,200(子供は$600)の現金支給が含まれている。(こちらは失業しているか否かは無関係)

そして、州政府が支給する失業手当(NY州は$504/週)は従来通り支給され、さらに連邦政府が追加で$600/週の失業手当を支給するのだ。

さらに、さらに、凄いのは、その対象となる人の範囲と期間で、例えフリーランスで仕事であっても「コロナウイルスで仕事が減った」という理由で(全額ではないが)手当を貰うこともできるのだ。

また、連邦政府が追加で支給する$600/週は7月31日まで支給され、州政府が支給する失業手当も最大39週間、連邦政府が保証することになっている。

月額に直すと、最初に$1,200の小切手をもらった上で、約$4,700を7月31日まで貰える計算になる。(また、その時は大統領選が近づいていることを考えると、7月31日で打ち切りになるとは思えない)

さて、これほどまでに失業保険が充実しているとモラルハザードが起こるのではないかと私は危惧している。

つまり、コロナウイルスが終焉して普通に働けるようになった後も、「失業保険をもらっていた方が得」と考える人が相当数出てくるのではないだろうか?

このことは企業サイドから見ると二つのインプリケーションがあると思われる。

一つは需要面で、失業した後も結果として所得が変わらないので、コロナウイルスが終焉した後に、個人の消費需要がV字回復する可能性が高くなる。

もう一つの側面は求人面で、企業は今後の人材獲得で、失業保険以上の条件を提示しなければいけなくなる。

しかし、今回、失業者の多いサービス産業(レストランなど)で月額$4,700の現金(税引き前ではない)を支払える企業は殆どいないだろう。

少なくとも、これまでの賃金では人が集まらず、コロナウイルスが終焉した後に、人材難に陥るのではないかと憂慮している。

日本の「アベノマスク」はやらなすぎだが、米国の「通常の失業手当に加えて$600/週」というのもいささかやりすぎなのであろう。

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