最近、Robinhoodというネット証券が提供しているデータが話題になっています。
Robinhoodは証券手数料が無料をうたい文句に利用者を伸ばしてきた新興企業の一つです。
そして、最近、プロの投資家の間でも注目されているのが、Robinhoodが提供するRobintrackというサービスで、これはRobinhoodの顧客(個人投資家)の株式保有率を銘柄毎に見ることができます。
しかも、無料でリアルタイムに近いデータを見ることができるのです。
その汎用性の高さから、米国の大手投資銀行のアナリストも多く利用しています。
とても簡単に使えるので、今日は実例を交えて使い方を説明したいと思います。
まず、上の画像リンクをクリックするとこのような画面が出てきます。
右上の検索窓にティッカーを入力する場所があります。これにティッカーを入力すると、Robinhoodの顧客がどれくらいその株を保有しているかを見ることができます。
例えばS&P500の代表的なETFである『SPY』を調べてみましょう。
次のような画面が出てきます。
グリーンのラインが保有率です。
3月の大暴落時に物凄い勢いで保有比率が伸びていることがわかります。
3月以降の株価上昇局面で唯一の勝ち組は『個人投資家』と言われていますが、Robintrackのデータでもそのことがわかります。
また、先週株が大きく売られた際も個人投資家は買い増していることがわかります。
これまで、アメリカで『個人投資家』のフローというと、『プライベートバンキングなどの超富裕層のフロー』や『401Kなどに基づくフロー』が中心でした。
つまり、比較的マネーリテラシーが高く、年齢的にも上の層が多かったわけです。
しかし、Robinhoodの客層は比較的若く、株の取引が初めての人が多いです。3月の株価暴落をきっかけに株式投資を始めた人も多く、その為、これまでの個人投資家層よりもリスクアペタイトが高いのではないかと気にしていました。
実際、Robinhoodで活発に取引されているのはPenny stocksと呼ばれる1株あたりの価格が安く、ボラティリティが非常に高いハイリスクなものが多くなっています。
これはこれで危険な兆候ですが、今までの個人投資家像よりもリスクアペタイトが高い可能性(熱しやすく冷めやすいかもしれません)を考慮して、相場を組み立てていく必要があると感じています。
その判断材料の一つになるRobintrackは非常にオススメです。